看護師が患者に声かけする時、注意したい点は3つある。
1つ目は「礼儀正しさ」だ。特に「接遇の5原則」と呼ばれる要素を把握しておきたい。身だしなみを清潔に整え、表情を穏やかにする。相手に身体と顔を向けて、日頃から挨拶をする。そして相手に伝わりやすいよう、簡潔かつ分かりやすい言葉づかいを心掛ける、というものだ。これは押さえておきたい礼儀正しさというだけでなく、話を聞いてもらいやすい要素でもある。話をうまく聞いてもらえなかった、伝わらなかった時にはこれらの要素を振り返ることで、反省や改善点が見つかることもある。
2つ目は「マイナス感情を出さない」だ。ネガティブな表情や態度を露わにすることは、ネガティブな感情を相手にも伝播させやすい。怒っている時にそのまま怒りをぶつけてしまえば、相手にとっては攻撃と受け取られ、同様に不機嫌な態度で返されたり委縮されたりするなどして、本当に伝えたい話は伝わらず、聞きたい話を聞くことも出来なくってしまうだろう。
3つ目は「一方的にならないこと」だ。ただ自分が言いたい事だけを伝えて、相手も了承したとしても、言った通りの内容が実行されないケースは少なくない。これは「どうしてそうしなければならないのか」、必要性や重要性が相手に正しく伝わっていないことが一因として考えられる。具体的にどうして欲しいのか、そうしないとどうなるのかを伝えた上で、相手に質問や疑問がないか尋ねて、意思疎通を深めることが望ましい。